ルースビズ

ルースビズとは、ワイシャツの第一ボタンをはずし、ネクタイをゆるくしめる、
ビジネスシーンでの衣服の着方である。
ルースとは、LOOSE、ゆるいであり、ビズとは、BIZ、ビジネスであり、
ネクタイをゆるくして、快適に仕事をし、暑い夏場を乗り切ろうとするものである。

クールビズ が取り上げられ、意図は分からなくもないが、これは、商売とは関係がない、お役人の産物と考えた方がよさそうだ。
夏の暑い中、きちんとネクタイをしめてお客様が職場に来られたときにノーネクタイでどのように応対するのだろうか!?
ネクタイをしめたお客様には、こちらもネクタイで応対するのが最善と思う。

やはり、ノーネクタイというのは、気楽に見える。ラフに見える。威張って見える。
ネクタイをしていると、真剣に見える。丁寧に見える。かしこまって見える。

ルースビズは快適だ。
ネクタイというと、肩が凝る、首が締めつけられるなどあまり良いイメージがないが、
ワイシャツの第一ボタンをはずし、とかくだらしなく見えがちなところを、ゆるくネクタイでしめるのだから、
これは快適だ。おしゃれでもある。

ネクタイの起源には諸説があるが、兵士が戦場に行く際に首に巻いていた一種のスカーフであるとの説が有力である。
このスカーフは妻や恋人が、千人針のようにして兵士の無事を願って送ったものだともいう。
(『ネクタイ史』日本ネクタイ組合連合会監修、日本衣料新聞社)
命がかかった戦場で、首をきつくしめているはずはないから、
ネクタイはその起源においては、ゆるくしめられたと思われる。

関与先企業と面談するとき、私や男性職員は必ずネクタイをしめる。
それは、見てくれや外見ではない。
税法は複雑で、税法の見落としは事務所にとって致命傷になりかねない。
また、いくら小さな企業であっても社長さんは一国一城の主で、
小さな提案であっても、社長がよしとしなければ、事は先へ進まない。

『今日は社長にこの事を承知してもらい、前進するぞ』の気構えで、
私や男性職員はネクタイをしめ、関与先企業の監査をおこない、社長さんと打合せをしている。

保険のセールスマンや不動産業者などクロージング(契約締結)が大切な仕事は、ネクタイをしめるべきだし、
現実、ネクタイをしめる人が多い。

しかし、節電で暑い中、ネクタイをきつくしめては、たまらない。
そこで、ルースビズを推進する次第だ。

税理士 川原田一尋